中1社会|ヨーロッパ州②
ヨーロッパ州②|EUの統合とヨーロッパの産業
対象:中学1年生・社会(地理)
教科書:東京書籍
学習範囲:p84~p91
学習のポイント
- ヨーロッパで進められてきた国どうしの結びつきを理解する
- EU(ヨーロッパ連合)の目的や特徴を整理する
- 国境をこえた人・物・資金の移動について理解する
- ヨーロッパの産業や地域ごとの特色を整理する
目次
EUによるヨーロッパの統合
ヨーロッパでは、第二次世界大戦後、国どうしが協力し、 平和を維持するとともに経済的な結びつきを強める動きが進みました。 その流れの中でつくられたのがEU(ヨーロッパ連合)です。
EUでは、加盟国どうしの経済的・政治的な協力を進めています。 ヨーロッパの国々がそれぞれ独立した国家でありながら、 共通の利益のために協力していることが大きな特徴です。
また、ヨーロッパでは国境をこえた人や物の移動を活発にすることで、 地域全体の経済活動を発展させようとしています。
EUは、ヨーロッパの国々が協力して、
経済・政治などの結びつきを強めることを目的とした地域的な組織です。
国境をこえた人・物・資金の移動
EUの統合が進むと、加盟国どうしの間で人や物、資金などが移動しやすくなります。 これによって、国境をこえた経済活動や交流が活発になります。
例えば、ある国の企業が別の加盟国に工場をつくったり、 商品を国境をこえて販売したりすることがあります。 また、他国で働いたり学んだりする人もいます。
このような国境をこえた結びつきは、ヨーロッパの産業や人々の生活にも 大きな影響を与えています。
| 移動するもの | 例 |
|---|---|
| 人 | 仕事・旅行・留学など |
| 物 | 国境をこえた商品の販売・輸送 |
| 資金 | 企業による投資など |
ヨーロッパの産業
ヨーロッパでは、工業や商業、サービス業などさまざまな産業が発達しています。 国や地域によって産業の特色は異なりますが、 国境をこえた分業や貿易も盛んに行われています。
自動車、機械、化学製品などの工業が発達している地域もあり、 ヨーロッパの国々は互いに部品や製品などをやり取りしています。
EUの統合によって市場の結びつきが強くなると、 企業は一つの国だけでなく、ヨーロッパ全体を意識して活動するようになります。
ヨーロッパの農業
ヨーロッパでは、気候や土地の条件に合わせてさまざまな農業が行われています。
西ヨーロッパなどでは、穀物栽培と家畜の飼育を組み合わせた 混合農業が見られます。
また、地中海沿岸では、夏に乾燥する気候を利用して、 オリーブやぶどう、かんきつ類などの栽培が行われています。
このように、ヨーロッパの農業は自然環境だけでなく、 市場や交通、EUの農業政策などとも関わっています。
西ヨーロッパなど → 混合農業
地中海沿岸 → オリーブ・ぶどう・かんきつ類
EUが抱える課題
EUの統合が進む一方で、加盟国の間には経済規模や産業の発達などに違いがあります。 そのため、国や地域によって経済的な格差が生じることがあります。
また、EU域外から多くの人が移住することで、 移民や難民の受け入れをめぐる問題が生じることもあります。
さらに、EUの加盟国では、それぞれの国の歴史や文化、言語などが異なります。 そのため、共通の利益を目指す一方で、 各国の考え方の違いをどのように調整するかという課題もあります。
EUについては、「国どうしの結びつきを強める」という面だけでなく、 国や地域による違いから生じる課題もあることを理解しておきましょう。
重要語句
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| EU(ヨーロッパ連合) | ヨーロッパの国々が経済や政治などで協力する地域的な組織 |
| 統合 | 複数の国や地域が協力し、結びつきを強めること |
| 域内 | ある地域や組織の中 |
| 関税 | 外国から商品を輸入するときなどにかけられる税 |
| 混合農業 | 穀物栽培と家畜の飼育を組み合わせた農業 |
| 企業 | 商品やサービスを提供し、経済活動を行う組織 |
| 分業 | 仕事を複数の人や地域などで分担すること |
| 経済格差 | 国や地域によって経済的な豊かさなどに差があること |
| 移民 | 仕事や生活などのために、別の国へ移り住む人 |
| 地中海式農業 | 地中海沿岸の気候を利用し、オリーブやぶどうなどを栽培する農業 |
一問一答10問
- ヨーロッパの国々が経済や政治などで協力する地域的な組織を何という?
- EUのように、複数の国が協力して結びつきを強めることを何という?
- EUの統合によって、加盟国間では何の移動が活発になっている?
- 西ヨーロッパなどで見られる、穀物栽培と家畜の飼育を組み合わせた農業を何という?
- 地中海沿岸で栽培が盛んな代表的な作物を2つ答えよう。
- 外国から商品を輸入するときなどにかけられる税を何という?
- EUでは国境をこえた企業活動や何が活発に行われている?
- EUの加盟国間に見られる課題の一つとして、何の差が挙げられる?
- 仕事や生活などのために別の国へ移り住む人を何という?
- EUの統合には、国どうしの結びつきを強める一方で、どのような課題もある?
答え・短い解説
- EU(ヨーロッパ連合)。ヨーロッパの国々がさまざまな分野で協力しています。
- 統合。国どうしの協力や結びつきを強めることです。
- 人・物・資金などの移動。国境をこえた交流や経済活動が行われています。
- 混合農業。穀物栽培と家畜の飼育を組み合わせます。
- オリーブ、ぶどうなど。かんきつ類も代表的な作物です。
- 関税。輸入品などにかけられる税です。
- 貿易。EU域内でも国境をこえた商品の売買が行われています。
- 経済格差。国や地域によって経済の発達の程度などに違いがあります。
- 移民。仕事や生活などのために別の国へ移り住む人です。
- 経済格差や移民・難民の受け入れなど。各国の考え方や事情の違いを調整することも課題です。
よくある間違い
① EUとヨーロッパ州を同じものとして考えない
ヨーロッパ州には多くの国がありますが、すべての国がEUに加盟しているわけではありません。 ヨーロッパ州=地理的な地域、EU=国々が協力する組織と区別しましょう。
② 混合農業と地中海式農業を混同しない
混合農業=穀物栽培+家畜の飼育、 地中海式農業=オリーブ・ぶどうなどという組み合わせで覚えましょう。
③ EUのメリットだけを覚えない
EUによって国どうしの結びつきが強まる一方、 経済格差や移民・難民の受け入れなどの課題もあります。
④ 「関税」と「貿易」を区別する
貿易=国どうしの商品などの売買、 関税=輸入品などにかけられる税です。
まとめ
ヨーロッパでは、第二次世界大戦後、国どうしの協力を進める動きが強まり、 現在のEU(ヨーロッパ連合)につながっていきました。
EUの統合によって、国境をこえた人・物・資金の移動や、 企業活動、貿易などが活発になっています。
また、ヨーロッパでは、地域の自然環境に合わせた農業も行われています。 西ヨーロッパなどでは混合農業、 地中海沿岸では地中海式農業が代表的です。
一方で、EUには経済格差や移民・難民の受け入れなどの課題もあります。 「統合によるメリット」と「統合によって調整が必要になる課題」の両方を理解することが重要です。
EU=ヨーロッパの国々の協力、混合農業=穀物+家畜、 地中海式農業=オリーブ・ぶどうなどをまず確実に覚えましょう。
さらに、EUの統合による人・物・資金の移動と、 経済格差などの課題を説明できるようにしておくと、記述問題にも対応しやすくなります。
※教科書の版や改訂によって、写真・資料・用語の扱いが異なる場合があります。 学校で使用している教科書の記述も確認しながら学習しましょう。









