中1理科|物質の姿と状態変化
中1理科「物質の姿と状態変化」|東京書籍 p.115~p.137
中学1年生の理科では、物質が温度などによって固体・液体・気体へと姿を変える「状態変化」について学習します。
この単元では、単に「水が氷になる」という現象を覚えるだけではありません。 状態変化すると体積や質量はどうなるのか、融点・沸点とは何か、そして沸点の違いを利用して混合物を分離する方法まで理解することが大切です。
教科書:東京書籍「新編 新しい科学1」
範囲:p.115~p.137
単元:単元2 身のまわりの物質/第4章 物質の姿と状態変化
学習のポイント
- 物質には固体・液体・気体の3つの状態がある。
- 状態変化では、物質そのものが別の物質に変化するのではなく、物質の状態が変化する。
- 状態変化では、一般に体積は変化するが質量は変化しない。
- 融点や沸点は物質の種類によって決まっている。
- 液体どうしの混合物は、沸点の違いを利用して分離できる。
目次
1.物質の状態変化
固体・液体・気体
物質は、温度などによって姿を変えることがあります。 水を例にすると、
| 状態 | 水の場合 | 特徴 |
|---|---|---|
| 固体 | 氷 | 一定の形を保ちやすい |
| 液体 | 水 | 容器に合わせて形が変わる |
| 気体 | 水蒸気 | 容器全体に広がる |
このように、同じ水でも氷・水・水蒸気という異なる状態になります。 このように、物質の状態が変化することを状態変化といいます。
状態変化は物質そのものが変わったわけではない
氷をとかすと水になります。また、水を冷やすと氷になります。 このとき、どちらも水という同じ物質です。
つまり、状態変化は新しい物質ができる「化学変化」とは違い、物質の状態が変わる変化です。
「氷が水になる」「水が水蒸気になる」は、どちらも状態変化です。
水蒸気と湯気を区別しよう
水を沸騰させたときに白く見えるものを「水蒸気」と考えてしまうことがあります。 しかし、水蒸気そのものは目に見えません。
白く見える湯気は、水蒸気が冷やされてできた細かい水滴です。
2.状態変化と体積・質量
状態変化すると体積は変化する
ロウやエタノールなどを使って調べると、状態変化によって体積が変化することがわかります。
これは、物質をつくっている粒子の並び方や粒子どうしの間隔が変化するためです。
特に気体では、粒子どうしの間隔が大きくなるため、固体や液体に比べて大きな空間を占めます。
質量は変化しない
一方、物質が状態変化しても、密閉された条件では質量は変化しません。
たとえば、固体のロウを液体にしても、ロウそのものがなくなったわけではありません。 粒子の種類や数が変わったわけではないので、質量は変わりません。
状態変化では、
体積 → 変化する
質量 → 変化しない
粒子のモデルで考える
状態変化を考えるときは、物質を小さな粒子の集まりとして考えると理解しやすくなります。
- 固体:粒子が規則正しく集まっている。
- 液体:粒子どうしの位置関係が変化し、動きやすくなる。
- 気体:粒子どうしの間隔が大きくなり、自由に動き回る。
ただし、状態変化によって粒子そのものが別の物質に変わるわけではありません。
3.状態変化が起こる温度
融点
固体を加熱して液体になるときの温度を融点といいます。
たとえば、氷がとけて水になるときの温度が、水の融点です。
沸点
液体を加熱して沸騰するときの温度を沸点といいます。
物質によって融点や沸点は異なります。 そのため、融点や沸点は物質を区別するときの手がかりになります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 融点 | 固体が液体に変化するときの温度 |
| 沸点 | 液体が沸騰するときの温度 |
状態変化中は温度に注目
物質を加熱すると、温度が上昇していきます。 しかし、状態変化が起こっている間は、加えた熱が状態変化に使われるため、温度の変化のしかたが変わります。
テストでは、温度と時間のグラフを読み取る問題にも注意しましょう。
グラフ問題のポイント
- 横軸・縦軸が何を表しているか確認する。
- 温度が上昇している部分を見る。
- 温度がほぼ一定になっている部分を見る。
- 状態変化が起きている温度を読み取る。
4.混合物の分離と蒸留
混合物とは
2種類以上の物質が混ざり合っているものを混合物といいます。
混合物を分ける方法の一つが、沸点の違いを利用する方法です。
蒸留
液体の混合物を加熱し、沸点の違いを利用して成分を分ける方法を蒸留といいます。
たとえば、水とエタノールの混合物を加熱すると、それぞれの沸点の違いを利用して分離することができます。
実験では、出てきた気体を冷やして液体として集め、その性質を調べます。
① 混合物を加熱する
↓
② 沸点の低い物質などが先に気体になりやすい
↓
③ 気体を冷やして液体に戻す
↓
④ 液体として集める
混合物には一定の沸点がない
純粋な物質では、物質の種類によって決まった沸点があります。 一方、混合物では複数の物質が含まれているため、一定の沸点を示すとは限りません。
ここが「純粋な物質」と「混合物」を考えるときの重要なポイントです。
蒸留は身近なところでも利用されている
蒸留は、実験室だけで使われる方法ではありません。 石油などの混合物を成分ごとに分けるときにも、沸点の違いを利用した分離が行われています。東京書籍の指導資料でも、石油の分留などが蒸留の利用例として扱われています。
重要語句
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| 状態変化 | 物質の状態が固体・液体・気体の間で変化すること |
| 固体 | 一定の形を保ちやすい状態 |
| 液体 | 容器に合わせて形が変わる状態 |
| 気体 | 容器全体に広がる状態 |
| 融点 | 固体が液体に変化するときの温度 |
| 沸点 | 液体が沸騰するときの温度 |
| 沸騰 | 液体の内部からも気体が発生する現象 |
| 混合物 | 2種類以上の物質が混ざり合ったもの |
| 蒸留 | 沸点の違いを利用して混合物を分離する方法 |
| 水蒸気 | 気体の状態の水 |
| 湯気 | 水蒸気が冷やされてできた細かい水滴 |
| 粒子 | 物質をつくっている小さな粒として考えたもの |
一問一答10問
- 物質が固体・液体・気体の間で姿を変えることを何という?
- 水の固体の状態を何という?
- 固体が液体に変化するときの温度を何という?
- 液体が沸騰するときの温度を何という?
- 状態変化によって体積は変化する?しない?
- 状態変化によって、物質の質量は変化する?しない?
- 2種類以上の物質が混ざり合ったものを何という?
- 沸点の違いを利用して混合物を分離する方法を何という?
- 目に見えない気体の状態の水を何という?
- 白く見える湯気は何が冷やされてできたもの?
答え・短い解説
- 状態変化。物質の状態が変化することです。
- 氷。水が固体になった状態です。
- 融点。固体から液体へ変化するときの温度です。
- 沸点。液体が沸騰するときの温度です。
- 変化する。粒子の並び方や間隔が変わるため、体積は変化します。
- 変化しない。状態が変わっても、物質そのものがなくなったわけではありません。
- 混合物。
- 蒸留。それぞれの物質の沸点の違いを利用します。
- 水蒸気。水の気体の状態です。
- 水蒸気。水蒸気が冷やされ、細かい水滴になったものが湯気です。
よくある間違い
①「状態変化=別の物質になる」と考える
氷が水になるのは、別の物質ができたわけではありません。 同じ水の状態が変化しただけです。
②「状態変化すると質量も変わる」と考える
状態変化では、体積は変化しますが、質量は変化しません。 「体積は変わる・質量は変わらない」と覚えましょう。
③ 水蒸気と湯気を同じものだと考える
水蒸気は気体なので目に見えません。 白く見える湯気は、水蒸気が冷やされてできた細かい水滴です。
④ 融点と沸点を逆にする
融点=固体→液体
沸点=液体が沸騰
「氷がとける温度=融点」と関連づけて覚えると整理しやすくなります。
⑤ 蒸留を「ろ過」と混同する
ろ過は、液体と固体などを粒子の大きさの違いを利用して分ける方法です。
一方、蒸留は沸点の違いを利用します。
まとめ
★ 物質の状態
物質には、固体・液体・気体の状態があります。
★ 状態変化
物質の状態が変化することを状態変化といいます。
★ 体積と質量
状態変化すると体積は変化しますが、質量は変化しません。
★ 融点・沸点
固体が液体になるときの温度が融点、液体が沸騰するときの温度が沸点です。
★ 蒸留
混合物は、物質ごとの沸点の違いを利用して分離できます。
ATOMS LABでさらに確認しよう
「物質の姿と状態変化」は、言葉だけでなく、温度変化のグラフや粒子のモデルと一緒に考えると理解しやすくなります。
ATOMS LABでは、学校の授業や定期テスト対策につながる理科の学習を、さらに確認できるコンテンツを準備しています。
※本記事は東京書籍「新編 新しい科学1」の学習範囲を参考に、中学校1年生の定期テスト対策向けに整理したものです。教科書の改訂や学校ごとの進度により、扱うページ・内容が異なる場合があります。









